「たまねぎって農薬(特に除草剤)をたくさん使うって聞くんですけど」
という質問をよく受けます。
うちはたまねぎ栽培にも農薬を使わないので、実際他の作物と比べてどのくらい多いのか少ないのかはまったくわかりません。
ただ、他の作物よりも除草剤を使いたくなる理由というのは思い当たるふしがあります。
それは、土が収穫直前まで露出している、ということにあるんだと思います。
どの作物でもそうですが、発芽したばかりのころはまだ丈が低く、周囲との他の草との競争が始まります。なので、育てたい作物を残すため、他の草を抜いたり刈ったりするわけです。
除草を繰り返していくと、たいていの作物はそのうち大きくなって土の表面を覆うようになってくるので、他の草があまり生えなくなってきます。
たとえば、除草が大変な人参を例にとると、にんじんは他の作物より極端に発芽に時間がかかるうえ、初期生育が遅いので、最初のころは除草がたいへんです(以下、2009年の写真3枚)。
しかし、大きくなってくると畑を葉っぱが埋め尽くしてくれるので、除草がきちんとできさえすれば(これが難しいんだけど)、ほぼ他の草は生えてこなくなります。
ところが、たまねぎは収穫直前まで土が露出しているのです(写真は8年前の収穫直前のものです)。
当地ではだいたい8月前半に収穫になるのですが、7月に入ってからの1か月が一番草が生えてきやすい時季です。しかし、7月になると玉が太ってくるため、除草機や便利な草取り道具を使うことができず、かといって土が見えているので、抜くとしたら手で取るしかありません(鎌など金属を使うと玉を傷つけるから)。もちろん、除草剤を使うとしても、収穫30日前までに、などといったしばりがあるので、おそらくこの時期に散布して収穫期まで効き目を持たせるような使い方になるんだろうなとは想像しますが、人力でやるにせよ、農薬を使うにせよ、これだけ土が露出している以上、収穫ぎりぎりまで草が生えないようにしなくてはならない、ということだけは共通しています。
一昨日、ひととおり除草をすませましたが、あと1か月、いい具合に育ってくれることを期待して...。