一自営業者として見た、陸山会をめぐる小沢氏の裁判に対する雑感。
結論からいうと、あの争点で有罪判決が出なくてよかった、と思う。
念のため申し上げておくが、私は政治的にどっちに肩入れしよう、というつもりはまったくない。それに双方の主張については私がここで要点をまとめるよりも、過去の報道なりご本人の発言なりが紙媒体や動画サイトなどでいくらでも確認できることだから、それを参照すればすむ話。ただ、もしこの件で「有罪」が出ていたとしたら、私が「自営業者として」納得いかない部分がある、ということだけである。
そもそも、この裁判の争点が実際の土地取引とお金の動きにズレがあって、報告書に記載すべき取引の時期がずれていた(俗に「期ズレ」というやつですね)、それを小沢氏本人と秘書が「共謀」してやったことが罪に問えるかどうか、の1点に絞られていた、ということだろうとおもうのだが...(その他の点については争点にならなかった(ならなくなった)ので)。
確かに悪いことを一緒にやれば共謀罪は成立するのかもしれないが、すくなくともこの裁判での争点になった内容に限って言えば、こんな内容で有罪になったら、世の経営者はいつでも「有罪」にさせられてしまう、ということになる。
ご自身で事業を営まれている方や経理に詳しい方ならここまで書かずともご納得いただけると思うが、もう少し筆を進めると...
土地取引に限らず、あらゆる取引に関して、モノの動きとお金の動きがずれることなんて茶飯事である。もちろん、原則としてはモノとお金を同時にやりとりするものだが、実際には、先に納品されて、後日請求書が送られてきて、あとから支払うなんてよくあること。ましてや、秋から年末にかけての取引だったら、お金の動きが年またぎになることには何の不思議もない。
実際、私が購入したいまの農地にしたって、登記手続きに時間がかかってしまったため、地主さんに売買代金を振り込んだ日にちからだいぶあとになって私名義に変更登記されたくらいである(ただし年またぎにはならなかったけど)。
もし、この期ズレが虚偽だとか違法だとかいうのだったら、私のような個人事業主はもちろんのこと、あらゆる会社の社長と経理担当者はいつでもセットで起訴されて有罪にされてしまってもおかしくないのだ。過去にそういう「判例」があるから、ということで。
となると、お上などが「こいつは潰してやる」などと目を付けようものなら、いつでもこのテで合法的に葬り去ることもできてしまう。実に「便利な」判例になってしまうところだったのだ(でも現時点ではまだそれが「確定」したわけではないらしいけど)。
余談だが、よく出てくる「4億円が庶民感覚では考えられない金額」などとも言われる件についてもついでに軽く触れておくと、確かに私にとっては4億なんて夢のような金額だけれども、政治家一個人ならずとも、これが東京の世田谷ではなく、銀座あたりで事業を営んでいる人だったら、4億円以上の個人取引なんて探せばいくらでも出てくるんじゃないだろうか。
いちおう、いまの日本では言論の自由は保障されているらしいので、一政治家をどう評価しようが個人の自由だと思うけど、すくなくとも、「期ズレ」の「共謀」という観点について断罪することに対しては違和感を感じてしまうがどうだろうか。そういうことは百歩譲っても修正申告で勘弁してもらわないと困ります。
以上、一自営業者のたわごとでした。